Nujabes Modal Soulを聞いた感想とレビュー

Nujabesの傑作2ndアルバムであるModal Soulは氏の音楽の完成系のアルバムの1つであります。

jazzy HIP HOPとレコードへのこだわり、サンプリングの進化や楽器とのコラボなど円熟のアルバムで何度も聞ける良さがあります。

そんなModal Soulを全曲レビューし、アルバムの良さを紐解いていきます。

ここ10年くらいいつも気づけば手元にあったこのアルバムを多くの人に知ってもらえたら幸いです。

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Apple Musicでも聞くことが可能です。

その他の音楽関連レビューはこちらに書いています。

音楽レビューのまとめ【ブログでオススメの曲やアルバムを紹介】

Feather(featuring Cise Starr&Akin from CYNE)

アルバムの1曲目はイントロからしてカッコ良いラップ曲です。

タイトなドラムと、ジャジーなベースに乾いたピアノのループがファンの期待を裏切らない曲になっています。

ordinary joe(featuring Terry Callier)

この頃からNujabes氏の多様な音楽性とドラムパターンの多さに感銘を受けたそんな曲でした。

おおよそ歌が乗ると想定されたオケではないところに歌が乗るという、Nujabes氏の魅力の1つが凝縮された曲となっています。

途中の管楽器などもこの頃からの傾向で曲に多様な彩りを与えてくれています。

reflection eternal

巨勢典子「I Miss You」をサンプリングし、そのピアノの旋律の美しさから原曲の良さとともに世界中で知られる事となったNujabes屈指の人気インスト曲です。

声ネタの違和感のない使い方、Nujabes印のハイハットの音色など一番の曲に押す人も多い名曲です。

哀愁漂う曲の感じがいつの時代にも聴きたくなるそんな気持ちのいい曲です。

ピアノの質感を損なわないように配慮しながらも鳴るベースの質感も最高に気持ちいい曲です。

個人的にもアルバムで必ず聞いてほしい曲です。

Luv(sic.)pt.3(Featuring Shing02)

ラップが入った曲を期待する方にはアルバムでもっともオススメできる曲です。

Shing02との傑作コラボLuv(sic.)シリーズのpt3は期待を裏切らない仕上がりで当時から大人気の曲でした。

アルバムで唯一ついてくる日本語対訳もこの曲へのこだわりが感じられます。

音楽が時を繋げるなんて可笑しいね

人生のサウンドトラックをかけて行こう

落ち込んでいるときは

歩き続ければ、遠くまでいけるよ

君が何処にいようと

Luv (sic.)pt3より

優しさを内包し音楽への慈愛に満ちた歌詞が感動を与えてくれます。

「音楽の神はきっといる」そんな気持ちにさせてくれるアルバム屈指のラップ曲です。

Music is mine

ライドシンバルの響きがまさにジャジーなインスト曲です。

管楽器とパーカッションの組み合わせがこの頃のNujabes氏の音楽性の広がりを感じさせてくれます。

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Eclipse(feat. Substantial)

Nujabes氏の魅力でもある1曲にネタのそのままの使用と、チョップやフリップで加工した部分が混在するラップの曲です。

相性の良いSubstantialにアルバムでも最もネタの加工具合の秀逸な曲を与えているのも納得な聞いていて気持ちの良い曲です。

近年のLo Fi HIP HOPでも感じるようなアナログの質感をとても大事にした曲で、アウトロのレコードノイズ的な感じも玄人を唸らせてくれるような曲です。

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The Sign(feat.Pase Rock)

Nujabes氏の後期に多い作風のラップ曲です。

Pase RockとNujabesの組み合わせでは意外な曲だな?と当時思った記憶もあるような曲でした。

ラップする側からするとなかなか難しい部類のオケに相当するでしょうし、それがNujabes印とも言えるような曲です。

このような曲が当時「Nujabesの曲は音が悪い」という一部の評価につながったのでしょうが、今となればそれもブランディングとも言えると思います。

Thank you(featuring Apani B)

この曲も今までのNujabes×Apani Bとしては意外な曲の1つでした。

イントロを聞くと「オールドスクールHIP HOP?」と思わせるような曲ですが、その後はオルガンがエモーショナルなNujabes印の曲になっています。

途中のギターとドラムとラップで攻める部分はなかなか興味深く、最後のアウトロに向かう展開とともにNujabesファンには衝撃とも言える曲でした。

World`s end Rhapsody

1st CollectionやHyde outの12インチからのNujabesファンにはなかなかの衝撃の曲でした。

この曲は当時あまり好きな部類ではなく、もっと哀愁漂うミッド、スローテンポの曲を多く入れてほしいと思っていました。

しかし、その後の多くのバンドとのコラボや、生楽器の絡みを見てNujabes氏の現状に満足しない探究心のようなものを感じました。

終盤の展開など今改めて聞くと多くの気づきと驚きを与えてくれるそんな曲です。

Modal Soul(featuring Uyama Hiroto)

アルバムのタイトル曲はその後のUyama Hiroto氏との関係性も示唆するような力のこもった曲です。

とにかく多様な音楽性と音像がこもった芸術的な曲で、幅広いジャンルの音楽家を唸らせるような曲であります。

この曲のような音像でのパーカッションの存在感やドラムの質感はNujabes氏ならではのものと言えます。

この後に出てくるNujabesフォロワー的なアーティストよりもNujabes氏が評価され世界中で愛される所以がこの曲にはあると思います。

flowers

アルバムでも1、2位を争うほどの人気のインスト曲です。

「flower」というシンプルな声ネタにドラマティックなピアノが絡み、様々な効果音やサックスなどが絡み奥行きのある曲となっています。

美しい旋律と癒しを求める方にはオススメの名曲です。

sea of cloud

イントロのミニマムな感じの展開などアルバムでも異質の存在感を放っています。

Nujabes氏の作る音楽の中毒性のような部分を表したような曲です。

途中に入ってくるリバースサンプルの感じなどが独特の世界観を表しています。

Light on the land

ライトな4つ打ちのような質感が好きで当時よく聴いていた思い出があります。

自身の曲制作の活動の中で当時この曲を意識して曲を作りましたがNujabesオマージュとは理解されず、真似できない曲として認識した記憶もあります。

このような曲が多くなりNujabes氏の音楽的評価が上がってきたと個人的には解釈しています。

Horizon

ピアノの連弾とウッドベース的なベースの絡み具合が気持ちの良いアルバムのラストを飾る曲です。

Nujabes氏の真骨頂でもある徐々に展開するループミュージックを体現した曲で、途中から挿入される楽器の数々も心地よいしらべをかなででくれています。

しかしながらそれと対比するようなしっかりとしたタイトなドラムとベースが骨太さも感じさせてくれ、まさにjazzy HIP HOPのインスト曲といったようなお手本とも言える曲に仕上がっています。

個人的には途中のベースを外しピアノとベースで構成される部分、というのが自身の楽曲制作にもとても参考になり当時よく聴いた思い出があります。

終盤まで曲が展開していく7分を超える大作でもあります。

また最後の上音だけのエモーショナルな終わり方が当時珍しいなと感じた曲でした。

あとがき

Nujabes Modal Soulは自身の楽曲制作、DJ活動などに多大な影響を与えてくれて生涯の好きなアルバムにも入るくらいのアルバムです。

その芸術性やこだわりはジャケットのアートワークからも感じられ、リアルタイムにNujabes氏の音楽を聞いたことのない人にもオススメです。

最後にこれが10年経っても色褪せないアルバムのお手本でもあることを、ここに記しておきたいと思います。

Nujabes氏を敬愛する1音楽ファンより!!

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